Japanische Klassiker mit Furigana
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いんじゅうトリステサ
橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇 (いんじゅうトリステサ) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 154.788 Zeichen · 299 Bildschirme
に従って自分に食事を給している召使を噛むなぞという理知は、犬の世界においては絶対に起り得ざることなのです。むしろガルボの嗾けによって奥様を噛むということこそ、起り得る可能性のあることなのですが、お宅の場合においてはこの起り得ざる出来事を惹き起しているということは、すなわち以上のような習性をこの犬だけは帯びているのだということがおわかりになったであろうと思います。貴方は別段何ともお想いになっていられなかったかも知れませんが、私は初めて貴方のお口からこのお話をお伺いしました時に、非常に奇異な感に打たれました。が、やがて現実に私自身のこの眼で犬を見るに及んで、さらに仔細にこの体形書と照らし合せて見たり、また助手のロザリオの報告を聞くに及んで、私にもこの納得がようやくにまいったようなわけなのです」
初めて逢った時もちろん私は探偵には一部始終を詳しく打ち明けた。フムフムとさりげなく頷きながらも、この探偵は要所要所だけちゃんと抑えていたわけなのであった。そしてまた前にも言ったとおり私はこの体形書を見た時も、別段何の感じも懐かずにそのまま机の抽斗へ抛り込んでしまったのであったが、見る人が見れば、何の奇もないこの体形書からさえも汲み尽せぬ秘密の臭いを嗅ぎ分けているのであった。