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Japanische Klassiker mit Furigana

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いんじゅうトリステサ

橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇 (いんじゅうトリステサ) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 154.788 Zeichen · 299 Bildschirme

Aozora Bunko

私はその炯眼にも舌を捲いたが、同時にこれだけの力量ある探偵の調査ならば、充分に信頼が持てるであろうという安心感をも、しみじみと感ぜずにはいられなかったのであった。がそれにしても、たった一つ私には解せぬことがある。親しく私自身のこの眼で見るに及んで………と今探偵は言ったが、この探偵が私の邸へ来たということはただの一度もなかったのであった。とすればどこで一体私のところの悲哀を見たということになるのであろうか?

「………悲哀を御覧になったと………今仰いましたか? どこで一体御覧になったのでしょうか?」

「もちろんお宅へ伺ってですよ」

と口許にいくらか笑みを含みながら探偵は答えたが、それでもまだ不審そうにしている私の面持を見ると、ふと気を換えたように探偵はこんな付かぬことを言い出した。

「先週の終りから今週へかけて………そうですね、ちょうど貴方がサンタルシアが丘へお出掛けになる前くらいに支配人のアロンゾ・マジャルドー氏が続けて三度ばかりお宅へ伺っているのを御存知でしょうな?」

「ハ知っておりますが………」

「その三度ともマジャルドー氏は貴方とはお話をせず、ただ召使に何か注意を与えただけで帰りましたな?」