Japanische Klassiker mit Furigana
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いんじゅうトリステサ
橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇 (いんじゅうトリステサ) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 154.788 Zeichen · 299 Bildschirme
すなわちこの犬は、その習性といい本能といい姿態といい、最もその状態に適合するように改良に改良を重ねて作り上げられているのでありまして………もっと外の言い方をしますならばこの犬の習性としては婦人から弄ばれなくとも発情すれば、犬自身の方から能動的に挑み蒐るような本能が付与せられているということなのです。もし卑近な言葉を用いて痴漢という言葉が、犬の世界にもあるとしますならば差詰この犬の一挙一動がそれに類するかも知れません。終始無言です。決して吠えたり啼いたりは致しません。そして振り払っても振り払っても、幾度何十遍でもある挙動をしてくるのです。性慾本能一つに生きているような犬ですから身を摺り付けてその挑み方も頗る露骨に執拗を極めたものであろうと想像せられます。そして挑まれて初めは面白半分ふざけ半分にこれと身体を交えたとなったが最後……ただの一度でも身体を交えたが最後、もはや人獣のこの浅ましい紲から逃れ去ることはできなくなってくるのです。おそらくいかなる男性としても与えることのできぬものを、この犬は与えるでしょうから一度禁断の木の実を味わわされた婦人は阿片吸飲の患者と同じ状態になりましょう。