Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

いんじゅうトリステサ

橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇 (いんじゅうトリステサ) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 154.788 Zeichen · 299 Bildschirme

Aozora Bunko

何かといえば、フロール! フロール! と口癖のように言うので、

「お前は、ほんとうにエスビイナさんと仲がいいのう。どうだ、そんなに好きなら、今にお前のお嫁さんに貰うてやろか?」と言葉尠なの父からさえも、冗談を言われたことがあった。

「厭だよう、お父様! 僕はフロールと兄妹なんだもの、お嫁さんなんて厭だよう」と言って、父にしたたか笑われたが、父も母も子供の時から跛者跛者と囃し立てられて、泣いて帰って来る子と仲よくしてくれるフロールの気持を、どんなにか嬉しく感じていたことであろう。降誕節や新年や復活祭の時なぞ、どんな物を包んだのかは知らないが、

「さあ、ロドリゲスや! お前の大好きなエスビイナさんに、これを持ってって上げるんだよ」と笑いながら肩を叩いてくれた。私は逢わない先から、フロールの笑顔が眼先にちらついて、母が襟飾を結んだり頭髪を梳いてくれるのさえも待ち切れずに、戸外へ飛び出して行く。月の晩に行ったこともあれば、また雪の降る朝に行ったこともある。雨のしとしとと降る夕暮に、今銀行の支配人をしているアロンゾ・マジャルドーを供に連れて、二人で濡れながら行ったこともある。