Japanische Klassiker mit Furigana
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いんじゅうトリステサ
橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇 (いんじゅうトリステサ) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 154.788 Zeichen · 299 Bildschirme
そしてうっすらと、窓から差し込んで春の夕陽を受けて鈍い光を放っている冷たい膚を、凝乎と眺めながら洋袴のポケットへ納めたのであったが、もちろん今私の全身を沸らせている憤怒と無念さを、この実包だけによって解決しようという纒まった考えなぞが私の頭に閃いていたわけではない。ただ驚破といえば、いつなん時でもスグに相手を倒すことのできる武器を身に付けている、ということがさっきからの疎通口を失ってムシャクシャした気持の中へ、一抹の爽やかさを吹き込んできただけのことであった。
拳銃を腰に納めると、私は手を伸ばして呼鈴を押そうとした。銀行の法律顧問を勤めている弁護士のセザレ・アルバラードを呼んで、もう一度とっくりと、ベナビデスに対する報復の手段を相談してみようかと考えたからであった。かくも狡智な犯罪を企図した、社会の攪乱者、人間性の破壊者に対しては、はたしてモネス探偵の言うごとく、現行の法律が手も足も出ないほどの無力なる存在であったかどうか、何とかしてこれに獄屋の苦しみを与えてやることはできないものかどうか、その点をもう一応も二応も、相談してみたいような衝動を感じたのであったが、私は手を呼鈴に触れたまま凝乎と考えていた。