Japanische Klassiker mit Furigana
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いんじゅうトリステサ
橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇 (いんじゅうトリステサ) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 154.788 Zeichen · 299 Bildschirme
「では……もう一つ君に聞きたいが、君の店で一番高価な犬はどこにいるかね? ハッキリと教えてくれたまえ! 嘘を吐くと危険だからね」
「そ……それと……それだけだ!」
これも光線が遮られてハッキリとはわからなかったが、一つはケアンテリア種、一つはペキニイスの純粋種らしく思われた。しかもベナビデスの料簡では、これらの問いを私が発したことに急に安心を覚えたらしく、これらの犬を強奪することが私の闖入の目的であって、命の危険はないとでも安心したのであろうか。そして犬ならば、搬び出されても後で安全に取り戻せるとでも高を括っていたのであろう。銃口の前に両手を挙げてはいるが、どこかに不敵な落ち付きを見せてきた。狡猾そうな瞳が急にキョロキョロとせわしなく動き出して来た。
「もそっと後方へ退きたまえ! もそっと後方の方へ!」
私はまず最初にベナビデスの指した二匹の檻の前へ近付いた。
「これだね?」
「…………」不敵な調子でふてぶてしくベナビデスが頷いた。
「なるほど、同じ種類のようだね」カチリと引金を引くと同時に拳銃はシューッと鋭い閃光を発して、プスッと犬の胴体は鈍い音を立てた。