Japanische Klassiker mit Furigana
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いんじゅうトリステサ
橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇 (いんじゅうトリステサ) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 154.788 Zeichen · 299 Bildschirme
しかし私は拳銃を降ろさなかった。
「俺の妻になりながら相変らず伯爵を慕っていた伯爵夫人を殺すのだ……俺に許さなかった肌で毎晩この犬を抱いて犬に弄ばれていた俺の妻を殺すのだ!」
途端に「呀っ!」と心臓でも突き刺されたような呻き声を妻は挙げた。恐怖と絶望が見る見る顔色を変えさせて今にも倒れんばかりの喘ぎであった。
「お願いです、どうぞ一言言わせてロドリゲス! ……一言だけ言わせて! 何という恐ろしい中傷でしょう。シリオンです……シリオンです……そんな中傷をするのはシリオンに決まってます。……大変な大変な貴方の誤解です。ロドリゲス……ああどうしたらいいでしょう……」と身悶えしながらしどろもどろのオロオロ声であった。
「その誤解だけは私何としても言い解かずにはいられません。汚らわしい……何という汚らわしい! 私ともあろう身があんな獣風情と! ああ口惜しい! シリオンは恐ろしい女です、ああ口惜しい! ロドリゲスお願いです、ちょっとだけ拳銃を降ろして……一言私に言わせて」
「つべこべ弁解するな! 証拠はみんな挙がっているぞ!」と私は破れ鐘のような声を出した。
「殺すと言ったら何としても殺すのだ。