Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
いんじゅうトリステサ
橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇 (いんじゅうトリステサ) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 154.788 Zeichen · 299 Bildschirme
「殺して下さい……こんな恥ずかしい思いをさせて……もう沢山です……もう充分です! ……貴方はさぞ御満足でしょう…さあ一思いに私を殺して下さい……死にたい…ね……早く殺して……」
「殺せと頼まれなくても殺す時が来れば殺してしまうのだ! 騒ぐな! 今更泣いて騒ぐくらいなら貴様は一体誰に頼まれて犬の夫人になったのだ? 今日までやっぱり泣きながらこうして犬の夫人になってたのか? おい……犬の伯爵夫人! 顔を挙げろ! 顔が見れるものなら……おい、顔を挙げて真正面に俺の顔を見てみろ!」
しかしもはやこれらの言葉も、妻の耳へは何にもはいらなかったのであろう。
「一思いに殺して……さ、早く一思いに撃ち殺して…」と夢うつつのように泣き叫ぶばかりであった。
しかも思い切り妻を恥ずかしめるべく拳銃を握って見下しているうちに、私の心の中には再びこの妻に対する不思議なる誘惑がムラムラと燃え上ってきたのであった。もはや妻ではない。また伯爵夫人としてでもない……ただ真白な四肢をくねらしている、世にも豊艶な美しい一個の肉塊として……。
「この女は!」と叫ぶといきなり私は拳銃を投げ棄てて妻の身体に躍り蒐った。