Japanische Klassiker mit Furigana
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いんじゅうトリステサ
橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇 (いんじゅうトリステサ) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 154.788 Zeichen · 299 Bildschirme
「アランのやつ、この頃さっぱり仕事をせんで困る。何をブラブラしているのだか知らんが、まるで魂が抜けてしまったような工合で仕事が手についておらん。昨日も神経衰弱の気味だから、お前と自分だけは倫敦へ帰らせてくれと莫迦なことを言いおった。帰りたくばいつでもさっさと帰れ! その代り儂は帰りもせんし、またエミーラももう四、五年はここで暮すのだと言ったら、アランのやつ恨めしそうな眼をして儂を見ていたが、当分あんなものの言うことなぞを取り合っていてはいかんぞ! 少しはしっかりしているやつかと思っていたが、あれではお前との結婚も考えものだ」
と、父様もおっしゃっていらした。相かわらずそんな話なぞは、どちらでもいい、他人のようなつもりで私は聞いていたが、そのアランにとうとう掴まってしまった。私が書庫へはいって、探し物をしているところへこっそりと跟けて来たのであった。
「この頃はなぜ僕をそう避けているんだ?」
と、のっそり近づいて来た姿は、なるほど父様の言われるとおりいくらか神経衰弱らしいものに思われた。
「別に避けてなんかいませんわ! でも貴方のお話は、今すぐ私には応じられぬお話ばっかりなんですもの、そんなお話なら、何度伺っても同じことじゃありませんか」