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Japanische Klassiker mit Furigana

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いんじゅうトリステサ

橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇 (いんじゅうトリステサ) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 154.788 Zeichen · 299 Bildschirme

Aozora Bunko

父様は喜んでいらっしゃるだろう。やがて、充分に私の言い付けを聴くようになったら、檻の外へ出して、放し飼いにするとおっしゃってだったから、その日の近づくためにこの兆候をお喜びなすっていられるに違いない。

残念ながらここでこの日記は再び破り去られているのであった。大体が二糎ばかりもある厚いノートであったからどのくらいがりとられているのかはハッキリしないが、よほどの厚さを破り去られているらしいのであった。しかもそれはこの女主人公自らが破り去ったものではもちろんない。持ち歩いているうちにどこかへ見失い、あるいは格闘の際滅茶滅茶になったものに違いない。いずれにしても残念千万なことであるが致し方ない。

仕方なく日記は大分飛んでいるらしい次の頁へ移ってゆく。

四月二十五日。檻から出した当時は、まことに恐ろしい気もした。その醜悪さ、恐ろしさ、魂も身につかぬ気もした。しかし慣れればこの生物と一緒にいることさえも、そう切実な恐怖ではなくなってくる。

「手をお出し」

と言えば、その手を私の掌へ載せてくる。

「違うのよ、そっちのお手よ」

と言えば、またその手を持ち替えて出す。