Japanische Klassiker mit Furigana
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いんじゅうトリステサ
橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇 (いんじゅうトリステサ) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 154.788 Zeichen · 299 Bildschirme
体高 三〇吋より三二吋
習性 気質劇しく愛撫すれば温順なるも、怒れば獰猛なり、死闘す、未知の人に絶対に馴染まず愛玩用なれども、番犬に適す
もちろん、この標準体形書なるものも、仔細にこれを吟味してみたならば、あるいは表面の文字の裏に隠されたこの犬の持つ種々なる秘密の特性や、あるいはそこに仕組まれたベナビデスの世を欺く狡猾なる手段に気が付いたかも知れなかったが、これも後日に至って問題になろうなぞとは夢さら知る由もなかったから、私は軽く眼を通すと、くるくると巻いて抽斗の中へ抛り込んでしまった。が、ただその時私の注意を惹いたのは、昂奮すれば火のように燃えるという眼の項目と、怒れば獰猛なり死闘す、という習性の記載のみであった。怒れば獰猛になって死闘する犬にはウルフ・ハウンドもあれば、ブルテリアもありブルドッグもあれば、シェパードもあり、ダックスフントもおそらくその範疇に入ったであろう。しかも大体において犬というものは、その習性として程度に強弱の差こそあれ、怒れば獰猛になって敢闘する性質であったから、こんな記載はあえて異とするに当らなかったが、ただこの犬の場合のみはあまりにも鈍重でヨタヨタしているのであったから、こんな犬がそういう性質を持っているのだろうかと、いささか私の興味を唆ったのであった。