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Japanische Klassiker mit Furigana

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いんじゅうトリステサ

橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇 (いんじゅうトリステサ) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 154.788 Zeichen · 299 Bildschirme

Aozora Bunko

へ繋いで、決して放し飼いにせず、三度三度の食事も給仕頭のガルボに言い付けて、部屋へ運ばせて決して私の近付くのを許さず、今度のこの失敗たるやいよいよもって私にとっては致命的なものたることを如実に示してきたのであった。

そしてそれからの私の立場たるや、いかにみじめを極めたものであろうか。殊に今度は間に悲哀という邪魔物が介在してきただけに、私にとっては事態の収拾が以前よりも一層困難を極め、一家の主人でありながら、召使たちの一顰一笑にまで気を兼ねて、まったく誰が主人か召使かわけのわからぬ存在となってきたのであった。しかも私こそは、折りを見て妻に謝罪したい気持は胸一杯であったが、妻はそういう私の気持なぞ一切受け付けようともせず、夕方銀行から退けて来たからとて、私と顔を合わせぬようにしているドローレスが家になぞいた試しは決してなかった。毎夜のごとく友達たちと劇場へ行き、舞踏会に招かれ、ちょうど闘牛のシーズンにかかっていた時とて、同好の貴婦人たちと連日闘牛場の特等席に陣取って、夜はこれら贔屓の闘牛士たちを引き具して宴席を共にし、ほとんど家で晩餐なぞを取ったこともないのであった。