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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.773 Zeichen · 294 Bildschirme

Aozora Bunko

権田原先生は、校庭で児童たちに取り囲まれ、両腕を組んで二人の近づくのを無言で待っていた。

「便所に行ったんだそうです。」

と、恭一がいいわけらしく言うと、先生は、

「ふうむ……」

と、うなるように答えて次郎の顔を見、それっきり何も言わないで、つっ立っていた。それから、かなり間をおいて、

「ふむ、そうか、ふむ。……じゃあ、みんな帰ろう。」

と、さきに立って校門の方に歩き出した。

校門を出て、しばらく行くと、先生はうしろをふりかえって、

「あとは口頭試問と体格検査だけになったね。きょうは本田も合宿に遊びに来い。恭一君もどうだね、いっしょに? 午飯二人分ぐらいどうにでもなるぜ。」

「でも、うちで心配しますから……」

と、恭一は次郎の顔をのぞきながら答えた。

「うむ、それもそうだね。……では、先生があとで君の家へ行くから、お父さんにそう言っといてくれ。」

恭一と次郎とは、酉福寺の門前でみんなにわかれ、家にかえって、まずそうに午飯をすますと、そのまま、人眼をさけるように二階にあがってしまった。そして、しばらくは、机に頬杖をついて、お互いに顔を見あっては、眼を伏せていたが、あとでは二人ともぽたぽたと涙をこぼしはじめた。