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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.773 Zeichen · 294 Bildschirme

Aozora Bunko

から決めてもいいことだっただけに、彼はよけいに迷ったらしい。とうとう、彼は、自分では解決が出来なくて、卒業式の二三日前、わざわざ権田原先生の家をたずねてその意見を訊いてみた。

すると権田原先生は、如何にも無造作に答えた。

「もう一年こちらにいるさ。そして、来年は君も合宿に加わるんだね。……転校なんかすると入学試験の間際になって、また糞づまりになるかも知れんよ。はっはっはっ。」

次郎は、こうして、結局もう一年間、正木の家に厄介になることに落ちついた。むろん、それは、ついこのあいだまでは、次郎の周囲の誰の心にも予定されていなかったことなのである。だが、人生の進路における予定の役割というものは、所詮大したものではない。予定は砂丘のように変りやすいものだし、人間の一生は、非常にしばしば、予定外の生活によって、その方向を与えられるものなのである。

だいいち「次郎のために」ということで迎えられたお芳が、その母としての生活を、次郎とべつの屋根の下で始めなければならなくなったということは、次郎にとって、何という皮肉な運命だったろう。

それは、いうまでもなく、お芳自身にとっても、――もし彼女が、「次郎のために」