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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.773 Zeichen · 294 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし登山はいいね。そのうち叔父さんが高い山につれていってあげようかな。」

「ええ。」

徹太郎と恭一とが、そんな話をしているのを聞きながら、次郎はいつも一間ほど先を歩いていた。

「次郎君は、どうだい、登山は?」

次郎はそう言われて、やっと二人と肩をならべながら、

「大好きです。」

「しかし、まだあまり登ったことはないんだろう。」

「学校の遠足で二三度登ったきりです。」

「じゃあ、もう少し暖くなったら、恭一君と三人で、天幕をかついで行って、山に寝てみようね。」

次郎は眼を輝かした。徹太郎は、それからしきりに登山や露営の面白さを説き立てて、二人を喜ばした。

大巻の家までは、せいぜい一里だった。で、十時近くには、三人はもう、そのふう変りな槇の立木の門をくぐっていた。

運平老は、座敷に画仙紙をひろげて、絵を描いているところだったが、恭一と次郎とが挨拶に行くと、老眼鏡を隆い鼻先にずらして、じろりと二人の顔を見た。そして、

「ほう、来たな。よし、よし。」

と言ったきり、またすぐ絵筆を動かしはじめた。

二人はちょっと手持無沙汰だった。しかし、運平老が絵を描いているのを実際に見るのは、二人ともはじめてだったので、そのまま坐って、絵筆の運びに見入っていた。