Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.773 Zeichen · 294 Bildschirme
「きのうは、どうだったい、雨天体操場では?」
次郎は大沢には答えないで、恭一の方を見た。そして、
「恭ちゃん、何か聞いた?」
「うむ、きいたよ。もう学校ではみんな知ってるよ。」
「そうか。……だけど、うちじゃ誰もまだ知らんだろう。」
「そりゃあ、知らんだろう。」
「誰にも言わんでおいてくれよ。」
「どうして? いいじゃないか、ちっとも恥ずかしいことなんかないんだもの。」
「父さんだけならいいけど……」
次郎の気持は、恭一にはすぐわかった。
しばらく沈默がつづいたが、大沢はにこにこして、
「学校がいやになりゃしない。」
「そんなこと、ありません。」
次郎は怒ったような調子だった。
「五年生、こわくない?」
「平気です。だって、僕、何も悪いことしてないんだから。」
「僕は五年生に友達がいくらもあるんだが、これからいじめないように頼んでおこうか。」
「馬鹿にしてらあ。――」
と、次郎は大沢をさげすむように見て、
「そんなこと頼むの、卑怯です。」
「だって、うるさいぜ。今年の五年生には、あっさりしないのが、ずいぶんいるんだから。」
「いいです、うるさくたって、卑怯者になるより、よっぽどましです。