Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.773 Zeichen · 294 Bildschirme
「お帰り。……今日は次郎ちゃんに嬉しいことがあるのよ。」
次郎は、土間に突っ立ったまま、きょとんとしてお延の顔を見ていたが、
「はやくお座敷に行ってごらん。お祖母さんが待っていらっしゃるから。」
と、お延にせき立てられ、あわてたようにカバンを茶の間に放り出して、座敷の方に走って行った。
「お祖母さん、ただいま。」
次郎は元気よく座敷の襖をあけた。が、その瞬間、彼は全く予期しなかった人の眼にぶっつかって、そのまま立ちすくんでしまった。――座敷には、こないだの女の人が、お祖母さんと火鉢を中にして坐っていたのである。
「お帰り。どうしたのだえ、そんなところに突っ立って。」
お祖母さんがにこにこしながら言った。次郎があわてて襖をしめようとすると、
「おはいりよ。そして、お辞儀をするんですよ。」
次郎は、敷居に坐って、お辞儀をした。
「まあ、おかしな子だね。いつもにも似合わない。ちゃんと中にはいって、お辞儀をするんだよ。」
次郎は、しぶしぶ膝をにじらせて敷居の内側にはいった。そしてもう一度お辞儀をしたが、それをすますと、急いで立って行こうとした。
「ここにいてもいいんだよ。