Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.773 Zeichen · 294 Bildschirme
いやぁな気持がするんだもの。」
次郎には、恭一の気持がそのままぴったりとはのみこめなかった。彼はただ、それを自分への同情の言葉として聞いただけだった。――むろん、公平ということのいかに望ましいかは、彼が彼自身の過去から、みっちり学んで来たことだった。しかし、彼の乗せられている天秤の皿は、恭一のそれとは、いつも反対の側についていたのである。餓えた者の求める正義と、飽いた者の求める正義とは、同じ正義でも、気持の上で大きな開きがあることは、次郎と恭一との場合だけには限られないであろう。
「そうかなあ。」
と、次郎は解せないといった調子だった。
「そうだとも。だから、僕、これからなるたけお祖母さんのそばにいないようにするよ。そして何かお祖母さんがくれたら、半分はきっと次郎ちゃんにもわけてやるよ。」
「ほんとう?」
「ほんとうさ。」
「じゃぁ僕も、正木のお祖父さんや、大巻のお祖父さんにもらったもの、恭ちゃんにわけてやるよ。」
「ああ、俊ちゃんにもね。」
「そうだい。俊ちゃんにもわけてやるんだい。」
次郎は妙に力んで言った。
「三人で仲よくなりゃあ、次郎ちゃんも、ここのうち嫌いではないんだろう。