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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.724 Zeichen · 355 Bildschirme

Aozora Bunko

道江は、次郎が考えこんでいるのを、自分の言葉のききめだとでも思ったのか、

「やっぱり、どうしても留任運動はおはじめになるの?」

「そりゃあ、はじめるさ。方法はもっと考えるが、このままほってはおけんよ。」

道江の予期に反して、次郎の答えは断乎としていた。しかし、彼はすぐ何かにはっとしたように、固く唇をむすび、じっと道江の顔を見つめた。その眼は、これまで道江が一度も見たことのない、つめたい、しかし烈しい光をたたえた眼だった。

「道江さん――」

と、次郎は、しばらくして口をひらき、

「僕は、こんな話を道江さんにするんではなかったんだ。僕はまだやっぱりだめなんかな。」

「どうして?」

道江の顔も、いくぶん青ざめている。

「かりに道江さんが、きょうの話を誰かにしゃべったとしたらどうなる?」

道江はけげんそうな顔をして、返事をしない。

「かりに僕の父さんにしゃべったとしたら、……いや、僕の父さんならわかってくれるかも知れない。しかしこれが普通の父兄だと、きっと僕のじゃまをするんだ。」

「そうか知ら。」

「そうか知らって、道江さんだって、さっき、朝倉先生の辞職の理由を問題にしていたんじゃないか。