Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.724 Zeichen · 355 Bildschirme
先生はいよいよ不安な眼をして、
「次郎君自身で、何かそのことについて言ったことでもあるんですか。」
「ありません。しかし、次郎は、元来そんな子供なんです。」
「あとにひかない性質だということは、私にもよくわかっていますが……」
「いや、あとにひかないという点だけを申しているのではありません。次郎は、人間の真実というもののねうちを、誰よりもよく知るように育って来た子供なんです。むろん、何が人間の真実かということについては、以前はすいぶん判断を誤ったこともありました。しかし、先生に教えていただくようになってからは、それもどうなり誤らなくなったように私は思います。これは全く先生のおかげだと思っています。」
「それにしても――」
と、朝倉先生は、俊亮の最後に言った言葉には無頓着なように、
「貴方はよほど大胆ですね。」
「きょうのやり方が無茶だとおっしゃるんですか。」
「いや、そのことについてはもう何も申しません。こうなった以上、私もおとなしてかぶとを脱ぎます。二階の生徒たちにも心よく会いましょう。しかし、次郎君をそんなふうにお育てになるには、親の貴方がよほど大胆だったと私は思いますね。