Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.724 Zeichen · 355 Bildschirme
」
俊亮の態度は厳然としていた。
西山教頭は、校長とちょっと眼を見あったあと、変に言葉の調子をやわらげ、
「しかし、何分、ほかの職員とはちがいますので、生徒の処分問題などで、父兄の方に直接会っていただくというようなわけには参りにくい点もありますし……」
「学校の一職員としてではなく、人間としてお会い下さるというわけには参りませんか。」
「どうも――」
と、西山教頭は、わざとらしく笑って頭をかきながら、
「そんなふうにおっしゃられると、いよいよ事が大げさになるような気もいたしますが……」
「少しも大げさになることはありません。まじめなことではありますがね。」
「どうも――」
と、西山教頭は、今度は冷笑に似た苦笑をもらした。すると、俊亮はきっとなって、
「いやしくも、次郎という一人の人間に、新しい運命、――と申しては或いは大げさになるかも知れませんが――よかれあしかれ一つの新しい方角をお与え下すった方に、親としての私が直接お会いしたいと申すのを、先生はまじめでないとお考えでしょうか。」
西山教頭の三角形の眼が急に引きしまった。校長の鼻は上にすべったきり動かない。
しばらく沈默がつづいたあと、西山教頭はひとりで何かうなずいたが、