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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.443 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

ぼくは誓っていうが、あの当時、道江にとくべつな関心をもっていたわけではなかった。ぼくの道江に対する気持ちは、親類のおとなしい女の子という以上には出ていなかったのだ。また、婚約のことにしたところで、まだ何も正面切っての話があっていたわけではなかった。なるほど、父さんからは、たった一度だけ、それもごくぼんやりと、ぼくの気持ちをきかれたことがあるにはあった。しかし、その時も、ぼくは、結婚はまだずいぶん先のことだし、ゆっくり考えておきましょうぐらいな、いいかげんな返事をしたにすぎなかったのだ。むろん、ぼくは、はっきり道江をきらいだとは言わなかった。しかし、それは、あんなやさしい子をそんなふうに言う気がしなかったからで、決して異性として、将来の結婚の相手として、いくらかでも心をひかれていたからではなかった。要するに、ぼくは、親類のやさしい女の子として、道江を十分愛しもし、尊敬もしていたが、道江がだれと結婚しようと、その相手がいい人でさえあれば、それは、その当時、ぼくにとってはどうでもいいことだったのだ。では、今はどうか。これがおそらく君にとっても、ぼくにとっても最も大事な問題だと思うが、それについても、ぼくははっきり言うことができる――」