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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.443 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

」

先生が夫人に向かってそんなことをいったのは、期間もあと十日かそこいらになったころであった。それに対して夫人は答えた。

「ええ、そのせいか、このごろほんとうに心からの親しみが感じられて来ましたわ。それに、塾生同士の話しあいで、いろんないい計画が生まれて来ますし、あたし、もう何にもお世話することありませんの。」

期間の終わりに近く、全塾生は三泊四日の旅行に出た。朝倉先生夫妻も、むろんいっしょだった。次郎も、それには学校を休んでもついて行きたかったのであるが、あいにく卒業試験の最中だったので、どうにもならなかった。かれはここに来てから、この時の留守居ほど味気ない気がしたことはなかったのである。

終了式にもかれはつらなることができなかった。やはり試験のためだった。朝倉夫人のあとでの話では、塾生たちがいよいよ門を出て行く前には、かなり涙ぐましい場面もあったらしかった。次郎はそんな話をきくにつけても、塾生と終始生活をともにする機会が一日も早く来ることを望まないではいられなかった。

その機会は、しかし、そうながく待つ必要はなかった。というのは、かれが中学を卒業した翌月には、すでに第二回の塾生募集がはじまっていたからである。