Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.443 Zeichen · 398 Bildschirme
黒眼鏡をかけた荒田老の表情はほとんどわからなかった。ただ気のせいか、そのでっぷりとふとったきずだらけの顔が、いつもよりいくぶん赤味をおびているように見えただけだった。
しかし、小関氏の表情はたしかに普通ではなかった。骨にぴったりとくっついたような、青白い、つるつるに光った顔面筋肉が、唇を中心にびりびりとふるえており、その眼は塾生たちのほうを見つめて凍ったように動かなかったのである。
次郎は二人を見た眼を転じて、朝倉先生と夫人の顔をのぞいた。先生のほうはべつに変わった顔もしていなかったが、夫人はさすがに緊張していた。先生はしばらくして小関氏に言った。
「では、夕食まで私の室でお休みいただきましょうか。それまでは、私たちは、べつに用もなさそうですし。」
小関氏はそれには答えないで、ちょっと荒田老の顔を見たあと、詰問するように言った。
「こういう計画はあなたがおたてになったんですか。」
「いいえ、塾生たちに考えてもらったんです。ここでは、なるだけ塾生たちの創意を生かす方針でやっているものですから。」
「なるほど。すると、あなたもこういう計画だということは、今はじめておわかりになったんですね。