Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.223 Zeichen · 320 Bildschirme

Aozora Bunko

で、彼は、つとめて平気を装おうとして、非常に苦しんだ。それは、彼が負けぎらいな性質であるだけに、一層不愉快なことだった。いつも辛うじて自制はするものの、彼の腹の中では、真っ黒な炎がそのたびごとに濃くなって、いつ爆発するかわからなくなって来た。――およそ世の中のことは、慣れると大てい平気になるものだが、差別待遇だけは、そう簡単には片づかない。人間は、それに慣れれば慣れるほど、表面がますます冷たくなり、そして内部がそれに比例して熱くなるものである。

ある日、次郎は、お祖母さんが小さな菓子折を持って離室に這入って行くのを見た。何処かの法事にでも行って来たらしく、紋付の羽織を引っかけていた。

次郎は、今日もまた、恭一と俊三だけがそれを貰うのだと思うと、我慢が出来なくなった。で、お祖母さんの隙を見て、これまでめったに這入ったことのない離室に、こっそりしのびこんだ。

菓子折は違棚の上にお祖父さんの算盤と並べてのせてあった。彼は、それをつかむと、いそいで裏の畑に出た。そこで彼は、紐を解いて中身を覗いてみたい衝動に駆られたが、すぐ思いかえして、それを放りなげ、下駄で散々にふみつけた。