Japanische Klassiker mit Furigana
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ぶそうせるしがい
武装せる市街
黒島 伝治
Lesen Sie 武装せる市街 (ぶそうせるしがい) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.959 Zeichen · 234 Bildschirme
山崎は、敵意を持たれていると感じながら、日本の出兵に及んでいた陳長財の話に耳を奪われているものゝように、吸いこんだ煙を、そこにはき出して話のつゞきをとった。いくら日本軍がやって来たって、今度の北伐軍の前には、牛車に向かうとうろうだよ、と笑った。
「あの鬼は、どこへやって来たって、人を食わずにゃ帰らねえや。」いな頭の若い奴が憎々しげに口を出した。
「いや、あの……(鬼がと云おうとしたが、流石に自分を鬼とは云えなかった)日本軍が強いのは、正服を着た軍隊に対した時だけだよ。平常服の俺等にゃ、いくら日本軍でも手が出せめえ。」と山崎は訊ねるようにつゞけた。誰れも疑わしげに同意しなかった。
煙草はだん/\残り少なくなって来た。何気なげに、笑ったり喋ったりする一方、彼の耳は、しょっちゅう、廊下のタフトがやって来る靴音に向って、病的に働いた。支那人がばた/\歩いて来る音にも、彼は、とび上りそうだ。
「さあ、もう、引きあげよう。」五分程になった煙草を、足のさきでもみ消しながら考えた。
陳は、声をひそめて、蒋介石が、アメリカから二千万円貰ったことに、話を引っぱって行った。