Japanische Klassiker mit Furigana
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ぶそうせるしがい
武装せる市街
黒島 伝治
Lesen Sie 武装せる市街 (ぶそうせるしがい) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.959 Zeichen · 234 Bildschirme
電気つかない。工場暗い。われ/\顔見えない。男と女、いつもちちくる。始める。」鼻づまりの工人が分りかねる日本語で語りつゞけた。「回々教徒、人悪るい、ちちくりながら、ひとのツメたマッチ函、かッぱらって、自分のツメた函にする函多い。金多い。」
時以礼という工人である。蒼ざめて、骨まで細くなったような、おやじに見える男だ。年をきくと、三十一歳だった。まだ若い。
「ふむむ、暗くなると男工と女工がちゝくり合うんだね。その騒ぎにつけこんで、回々教徒が、人がつめたマッチを、自分がつめたようにかっぱらうんだな。なる程、面白い、面白い。」と高取は頷ずいた。「もっとやれ、もっと何か話をしろ!」
工人は、だんだんに兵タイを怖がらなくなった。兵士は、大蒜と、脂肪と、変な煙草のような匂いのする工人の周囲に輪を描いた。
「あの、窩棚の向うの兵営のそのさきに、英吉利人のヘアネット工場ある、私の妹、そこの女工、毎日、ふけとゴミばかり吸う」と、時以礼はつづけた。「妹、髪と、ゴミくさい。胸、悪るい。肺病。ヘアネットの髪、田舎の辮髪者の髪、三銭か四銭で切らして、仲買人、公司へ持って来て売る。