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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぶそうせるしがい

武装せる市街

黒島 伝治

Lesen Sie 武装せる市街 (ぶそうせるしがい) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.959 Zeichen · 234 Bildschirme

Aozora Bunko

幹太郎が、「快上快」を親爺に与えるために持ってきた。それで巡査は気をきかして場をはずした。――そのことは、幹太郎の方へも、すぐ感じられた。

親爺は餓死した屍のように、かん骨はとび上がり、眼窩は奥の方へ窪んで、喘ぎ/\呻いていた。

「いっそ、この際、再び麻酔薬を与えぬように我慢をさして、悪い習慣を打ちきる方がいゝんだ!」と息子は思った。

親爺は病的に落ち窪んだ眼で、息子を認めると、扉の外の巡査に聞えるのもかまわず、むずかる子供のように「快上快」を求めた。

「チェッ! 仕方がないなア!」

薬は与えられた。

竹三郎は、如何にも、うまそうに、むさぼり吸った。たてつゞけに、一と匣分の麻酔薬を吸ってしまった。

「苦しゅうて、苦しゅうて、やりきれんからとうとうこんな芸当をやっちまった。洗面器で足の小指をぶち切った。――そうでもしなきゃ、留置場から出られねえんだ。俺れがどんなにのた打ちまわっとったって、領事館の奴はへへら笑っていやがるんだ。」

母と、詰襟の支那人がやってきた。薬がまわった竹三郎は、足の疼痛を忘れた。自分を取りかこんだ者達にはしゃぎ、唇には、足らん男のような微笑さえ浮んだ。