Japanische Klassiker mit Furigana
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ぶそうせるしがい
武装せる市街
黒島 伝治
Lesen Sie 武装せる市街 (ぶそうせるしがい) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.959 Zeichen · 234 Bildschirme
彼は、毛のすり切れた、そして、いくらか、白らけた赤毛布の上に高い枕で横たわって、とけるように、まどろんだ。たゞ、自分の恍惚状態を夢のようにむさぼるばかりだ。ほかの一切にかゝずらわなかった。
幹太郎は、俊が歩かして来た一郎を抱き上げた。
「こないだ、土匪が三人、捕まったんだってよ。」
「じゃ、また、さらし頸ね。」
俊は嬉しげに笑った。彼女は徳川時代に於けるような、この野蛮なやり方に興味を持っていた。
「ところが、その土匪の一人は、もと愧樹の兵営に居った山東兵の中士だそうだよ。そいつが四人分の弾丸や鉄砲を持ち逃げして土匪の仲間入りをしていたのを捕まえて来たんだって。」
「愉快ね、軍曹が銃を持ってって土匪になるって、愉快ね。――面白いじゃないの、気みたいがいゝじゃないの。」
「たいがい、毎日、何か、乱が起るなア。」母は形だけの仏壇へ、燈明をあげていた。その仏壇の下の抽出しは、第三号の、秘密なかくし場所だ。「いっそ、すゞに、南軍がこっちへやって来るか来んかはっきりするまで、内地に居るように手紙を出したらどうだろう。あれだって可哀そうだもの。」
「ええ」幹太郎が一寸考えた。