Japanische Klassiker mit Furigana
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ぶそうせるしがい
武装せる市街
黒島 伝治
Lesen Sie 武装せる市街 (ぶそうせるしがい) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.959 Zeichen · 234 Bildschirme
」と、山崎は、中津を見た。「俺等が貰うんならわけなしだよ。」山崎の声のひゞきには、それを現わそうとしているところがあった。幹太郎は、それを感じた。こんな時こそ、山崎を利用しなけゃ損だ、と思った。
「どうだ、情報料はなしで、只でやってやるよ。」
そして、又、山崎は中津を見た。中津は、掴みどころのない微笑を、その鬚だらけの顔に浮べていた。幹太郎は、山崎が、いつかの冗談への応酬をしていると感じながら、殊更、気づかぬ振りをしていた。
その時、群集の間に、激しい歓喜の動揺が起った。囚徒の頭と背とを支えていた二人の地方は、頭から腕に、いっぱい熱い鮮血をあびていた。首のない屍体は、ガクッと前につんのめった。吹き出る血潮は、心臓の鼓動の弱るがままに、小きざみになって行った。
「うわあ! うわあ!」頸が落ちると群集はわめきたてた。「うわあ! うわあ!」
拍手して喜ぶものもあった。これは、日本人には、解せない感情だ。
三四分の後、三人は、悄げかえっていた奴も、酔っぱらいも、頸が落ちるまで包子を要求してついに与えられなかったデボチンも、同じような姿勢で空骸となって横たわっていた。