Japanische Klassiker mit Furigana
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ぶそうせるしがい
武装せる市街
黒島 伝治
Lesen Sie 武装せる市街 (ぶそうせるしがい) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.959 Zeichen · 234 Bildschirme
」
「そうかね、それじゃ丁度いゝところへ来た訳だな。」
彼は、うますぎる支那語の口が辷って、心にもない、反対のことを喋ってしまった。彼はタフトを知らなかった。タフトにこの場へやってこられるのは一番困ることだ。
陳は、そこの支那人と並んで、腰かけに腰かけ、南京から何人くらい一緒にやって来たか、今夜はなお、あとから何人くらい来る見込みか、月給はいくら貰っているか、そんなことをたずねだした。
山崎は、前門牌(煙草の名)を出してマッチをすった。――こいつが一本燃えつきてしまったら引きあげよう。彼は心できめた。前門牌が一本なくなるのは五分間だ。その間なら、タフトはまだやって来ない気が彼にはした。煙草一本を安全時間ときめる根拠は、全く迷信から来ていた。しかし、一度それをきめると、それを実行した。山崎はそんな人間だった。
彼は、自分の煙草に火をつけると、口を切った前門牌の袋をそこに居る者達の前に出してすゝめたが、陳以外、誰も貰おうとする者がなかった。髪の長いさっきの男は、じっと、彼のつまさきから、頭の髪まで丹念に、ちびる程執拗に睨めながら、もう一度、タフト先生に、どんな用事かときゝ直した。