Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうこんさんじゅうし
求婚三銃士
佐々木 邦
Lesen Sie 求婚三銃士 (きゅうこんさんじゅうし) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.326 Zeichen · 330 Bildschirme
現在の競争者は例外だった。
大谷夫人が上って来た。下宿人の来訪者に接するにも鏡と相談するのだから念が入る。その代り相変らず若々しい姿を現した。
「瀬戸さん、お芽出度うございます。安達さんから悉皆承わりました。中将から大将へ御昇進だそうでございまして」
「恐れ入ります」
「早速ながら、一部始終のロマンスを拝聴させて戴けませんでしょうか?」
「駄目ですよ。ハッハヽヽ」
「もう御確定でいらっしゃいますの?」
「はあ。先ず」
「それは/\。御披露会に末席を汚させて戴ければ、光栄と存じ上げます」
と大谷夫人は如才ない。以前は安達君の敵として警戒したけれど、最近安達君に示した好意を聞き知って、充分手なずけて置く積りだった。
「一寸困ります」
「まあ! 何故?」
「奥さんのような綺麗な人にお出を願いますと、折角のお嫁さんが映えませんから」
「まあ/\、巧いことを仰有って撃退なさいますのね」
「いや。ハッハヽヽ」
「私、御案内をお待ち申上げていますわ、本当に」
「何分宜しく。矢っ張り僕が口開けでしょう」
と瀬戸君も調子が好かった。
「矢っ張り成績のお宜しい方は違いますわ。御就職にしても御縁談にしても、滞りなくお運びになるんでございますから」