Japanische Klassiker mit Furigana
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
Lesen Sie 渡良瀬川 (わたらせがわ) von 大鹿 卓 (おおしかたく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 280.528 Zeichen · 557 Bildschirme
ここに放火を犯したものがあって、多くの家が焼け、わが家も風下で危いと思っていると、たちまち風勢一変、かろうじて災をまぬがれ、その者は喜びのあまり放火犯人の悪事を憎むことを忘れてしまったとする。これは私情だ。責めるべきだ。この者は、罹災者へ同情を寄せないことが即ち自分が罪人に同情を致すことだということを知らない。無意識に大道を踏みはずし、道を誤るものはこの類だ」
これに刺戟されたためか、懇談に入るとたちまち村長某に対し各村の青年たちから面罵のこえが起った。運動に熱意の足らざることを責められて、村長は終始悄然と頭を垂れたまま一言も反駁し得なかった。
五日は荒井、永島など数名の案内で、川沿いに徐川、細谷、離と村内を一巡して対岸の藤岡へ出た。堤の上から荒涼とつづく下都賀郡の被害地を望見し、さらに川を渡って海老瀬村の激甚地に入った。さらに埼玉県下の利島、川辺両村の被害を見て、ふたたび渡良瀬川を越えて谷中村の下宮に立ちより、野木村まで足を延して、古河で帰京する人々と袂を分って紺屋五郎衛門方に一泊した。
六日は早朝から細雨漠々とけむるなかを、一行三人茨城県下の八俣村へむかった。