Japanische Klassiker mit Furigana
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
Lesen Sie 渡良瀬川 (わたらせがわ) von 大鹿 卓 (おおしかたく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 280.528 Zeichen · 557 Bildschirme
と、予期したことのようであった。
「帰りに市ヶ谷の屋敷にも寄ってきましたが、谷将軍も大隈伯とほぼ同意見でした」
正造もそれにはやや意外の感にうたれたらしく、ギョロリと眼をうごかして高橋を見返した。
高橋が帰ったあと、正造はもとの座にかえって黙然としていた。地蜂が迷いこんで座敷中を唸りまわるのを目で追う様子が、妙に淋しそうであった。蜂が根気よく唸りつづけてやがて、若葉のひかる庭へとび去ると、正造は傍の加藤兼吉に唐突に話しかけた。
「いま鉱業停止で猛進すると予防命令が効を奏してきた場合、いかにも先見の明がなかったように、いかにも好んで騒擾をこととするもののように思われるだろう。だから、しばらく忍んで予防命令の結果を見よ。そういう議論が起るに相違ない。いや、すでに起っている、だが、それは俗論というものだ」
意味がわかるかというふうに加藤の瞳を見つめたが、すぐ言葉を継いで、
「なぜなら、われわれの運動中にも予防工事の効果があらわれて、鉱毒の害がなくなれば、もちろんこれに越したことはない。われわれは最初からそれが目的なのだから、そのときは潔く運動をやめればよい。