Japanische Klassiker mit Furigana
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
Lesen Sie 渡良瀬川 (わたらせがわ) von 大鹿 卓 (おおしかたく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 280.528 Zeichen · 557 Bildschirme
「むろん断った。わしはどこまでも百姓議員、百姓は百姓で通すが一番だ。コヌカ三合持ったら聟にゆくなかれ、コヌカ三合持ったら官吏となるなかれ」
人々は声をたてて笑った。
「考えてみれば憐れなものさ。亡びかかった内閣に猟官者ばかり多い。昔の薩長の連中は、交通不便な時代に果の果から出てきたのだから、世の中の人はその人物を知らない。知らないから、馬の骨も清浄な人物に見えて、次官、局長、知事になれば、人もそれだけに仰ぎ見てくれた。ところが、今日の猟官連中は棚ざらしだ。人が知っているから敬重もされない。それにこの頃の連中のやっていることはなんだ。旧自由党といい旧進歩党といい、ヘボ馬鹿めらのグツグツ争い、グツグツ喧嘩、ヘボ野心、ヘボ周旋、ヘボ才子、馬鹿運動」
胸の鬱憤がようやくはけ口を見つけたように、正造の言葉は一語ごとに内心の激越をともなって吐き出されたが、どしりと頭を枕へ落すと、
「名利、私慾、私曲、悪徳、狭隘、そんなものばかりで国家的観念など少しも見られない。合同の初一念も、今はきれいに忘れ去ったのだろう」
そのあとで、ふッと大きな溜息を洩らした。内奥の憤りと落胆が最後の一言にかかっていた。