Japanische Klassiker mit Furigana
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
Lesen Sie 渡良瀬川 (わたらせがわ) von 大鹿 卓 (おおしかたく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 280.528 Zeichen · 557 Bildschirme
しかし、この辺の事情は、正造にまだ実際が伝えられていなかった。一行が警察署の門前へ差しかかったとき、警戒の巡査が野口春蔵の馬の轡をとらえて引きずり下そうとした。ために付近にいた者が野口の周りに集ってきて、群集の勢で人馬共に門外へ引き戻してしまった。このとき群集の先頭にいた川島民八、漆原憲治、小野熊次郎の三人が、巡査に抵抗したというので取押えられた。そこでまた群集が門内に雪崩れこんで、口々に三人を返せといって騒ぎだした。十数名の警官もついに鎮撫するに困って「今返す静かにせよ」と紙に大書して玄関前へ張り出した。ところがでてきた三人を見ると、川島が顔面数カ所に傷を負って血が流れている。永島たちが昂奮して「なぜ負傷させた」「怪我した者は理由を聞かぬうちは受取れない」と、口々に罵りたてて容易に立ちのく様子もなかった。そこへ左部と山本が馳けつけた。長谷川警部が、負傷者は双方から医師を出して診察させて、曲直は後日に譲ろうと申しでたので、左部はそれに同意して、警察の方は自分等が談判するからと鎮撫して、一同を門外へひきとらせた。この間に一行の前方は川俣さして進んでいた。