Japanische Klassiker mit Furigana
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
Lesen Sie 渡良瀬川 (わたらせがわ) von 大鹿 卓 (おおしかたく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 280.528 Zeichen · 557 Bildschirme
床の間よりに席をあけると、彼等は正造に挨拶の暇もあたえずに郷党の情勢をきかせた。探りえた情報によると木村半兵衛の立候補はほぼ確実だというのである。
「新聞のあれは虚報ですか。民党同志の逐鹿をさけるために、改進党と自由党が前議員を再選するように申し合せをしたという……」
この家の主人村山半が中央における党の動静を詰る調子で質問した。
「うん旧蝋から島田君などがしきりにそれを奔走しているが、まだ折衝中だ。わしも極力島田君を鞭撻してきた。民党同志がいたずらに牆にせめいでいては、いつまでたっても藩閥を倒すことはできない。困るのは人民ばかりというわけで……」
沈痛な声を途中できって正造は顔を曇らせた。
「いやそれは木に縁りて魚を求むるたぐいだ」県会議員の川島治平が太い眉をうごかしていった。「とても党の統制など行われやしない。げんに一区など星亨が立って横堀三子と同志打ちをやるというし、すでにどの区でも混乱が予想されている」
「木村は自由党を標榜するということだが、大義名分をわきまえているやつなら、この三区から立てるわけのものじゃない」天海浜吉のこえだった。
「そうとも仮面自由党さ。