Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

わたらせがわ

渡良瀬川

大鹿 卓

Lesen Sie 渡良瀬川 (わたらせがわ) von 大鹿 卓 (おおしかたく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 280.528 Zeichen · 557 Bildschirme

Aozora Bunko

無論時間が早すぎることは承知だったが、それでも正造はホッとして、俥を衆議院議長の官舎へ乗り入れた。開院式の日なので、議長官舎は無人で閑静だった。正造は顔見知りの給仕にことわって、勝手を知った応接室へ入った。

扉を閉じて椅子に腰かけると、先刻受けとった懐の紙包を取りだして静かに開いた。黙読するうちに思わず牽きこまれて、最後まで涙ぐみながら読みつづけた。

「いい頭だ」

正造は心の裡に呟いて顔をあげた。実をいうと、昨夜はひそかに不安を残して帰ったのである。鉱毒地の惨状から、その歴史、解決の希求と、自分が心を籠めて語るのを、幸徳は片手を懐に突込み片手では火箸で灰をせせりながら聴いていた。ときどき唯フンフンと鼻で受け答えするばかりで、こちらのいうことが悉皆頭に入ったかどうか、甚だ心もとない思いだった。自分の草稿もおいてきたし、彼の能文に信頼していたが、その点がいかにも不安だった。さて、いま読んでみると自分の意思をよくのみこんで、立派な文章が綴られている。正造は感歎しつつ、持っている矢立を取りだして、表紙の真中に「謹奏」と大きく書いた。次にその左側に下げて「田中正造」