Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

Lesen Sie 火星兵団 (かせいへいだん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 307.889 Zeichen · 618 Bildschirme

Aozora Bunko

「あっ、崖から飛出した! もう、だめだ」

警官隊は、オートバイをそこへころがすと、一せいに飛下り、息をとめて、大椿事を見まもった。

自動車は、そのまま右へ傾き始めたが、その時、意外なことが起った。

それは、自動車の運転手席の左の扉がさっと開き、そこから怪人丸木の上半身が、ぬっと出て来たのだった。

「あっ、あいつ、やっぱり逃げおくれたんだな。かわいそうに、もう飛下りたって、どうもなりゃせん。どっちみち、死ぬばかりだ」

丸木は、この時、なぜ自動車の扉をあけて上半身を乗出したのか。警官たちには、丸木が逃げおくれたものとしか思われなかった。

空中をもがく自動車は、頭の方を下にすると、そのまま落ちていった。丸木は、まだ助るつもりか上半身を乗出して、死にものぐるいであたりを見まわしている。

「うっ、かわいそうに、見ちゃおられないなあ」

「とても、助る見込はない」

警官たちも、ひどく同情した。

崖から、まっさかさまに落ちていくその自動車には、千二少年も乗っているはずであった。丸木が死ぬのは、自らまねいた罰で、仕方がないとして、かわいそうなのは千二少年であった。

警官たちは、崖のところにしがみついて、自動車がこれからどうなるかと、はらはらしながら見まもっている。