Japanische Klassiker mit Furigana
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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
Lesen Sie 火星兵団 (かせいへいだん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 307.889 Zeichen · 618 Bildschirme
それを思い出したので、課長は、博士に見せることにしたのだった。
蟻田博士は、その青い一メートルばかりの長いむちみたいなものを手にして、目を光らせた。そうして、さっき課長になげつけた言葉などは、もうわすれてしまったかのように、このめずらしい品物を、どこでひろったのかなどと、いろいろと課長にたずねるのであった。課長は、博士のきげんがなおったので、このところ大喜びだった。そうして、いろいろと説明した。博士は、大きくうなずき、
「ふむ、これは実にたいしたもんじゃ」
と、いすの上にこしを下した。
蟻田博士が、ひどく感心した顔で、
(これはたいしたものだ!)
と言った長さ一メートル余りの、むちのようなものは、一体何であったろうか。
それを箱から出して、博士の目の前へ押しやった大江山課長は、博士のまたたき一つさえ見おとすまいと、じっと見つめているのであった。
「いかがです、博士。これなら博士をおひきとめした値打はあったでしょう」
博士は、ふんふんと、ただ間に合わせの返事をしながら、その青いむちのようなものを、しきりにひっくりかえして見ていた。やがて博士は、その一方のはしが、すこし太くなっているところへ、指先をあてて、押したり、離したりしはじめた。