Japanische Klassiker mit Furigana
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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
Lesen Sie 火星兵団 (かせいへいだん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 307.889 Zeichen · 618 Bildschirme
「泥棒をとらえて縄をなうというのは、このことだ。ばかばかしい」
「いや、我々は、すべてのことに手落があってはならないのです。第四の用意としては……」
「第四の用意? ずいぶん用意をするのだねえ」
「そうです。第四の用意は、もし衝突が起っても、我々日本人だけを死なさずに、何とか助ける方法はないものかどうか」
「雲をつかむよりむずかしい話だ」
「第五の用意は……」
「わしは、もうたくさんだ。ばかばかしくて、黙って聞いていられんよ」
蟻田博士は、大江山課長の言うことを、一々だめだとやっつけた。
だが、博士は、帰る帰ると言ってなかなか帰らず、課長の机の前で、もじもじしていた。
「課長。総監がお呼びです」
一人の警官が、大江山課長を呼びに来た。課長はうなずくと、そそくさと自分の席を立って、向うへ行った。
その課長の姿は、衝立の後へ消えたが、そこで彼は、足をとどめた。課長を呼びに来た警官も、また、そこで足をとどめて、課長の顔を、興ありげに見た。
「課長。あの老人の写真をとるのですか」
「いや、今日のは、違う」
課長は、よく、こんな風に自席を立ち、後に残った机の前の客を、知れないように写真にとらせることがよくあった。