Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

Lesen Sie 火星兵団 (かせいへいだん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 307.889 Zeichen · 618 Bildschirme

Aozora Bunko

その時、とつぜん、湯気の向こうに、火花のようなものが、ぱっときらめいたかと思う間もなく、千二は全身に、数千本の針をふきつけられたように感じた。

「あっ、いたい」

だが、それは針ではなかった。全身がぴりぴり痛むのだった。電気にさわった時の感じと同じだ。いつまでもぴりぴりと痛む。

ぴりぴりと、はげしい痛みが、千二のからだを、だんだんつよくしめつけていった。

「あっ、苦しい」

おしまいに、千二はもう息が出来ないくらい、苦しくなった。

「おうい、丸木さあん」

千二は、遂に悲鳴をあげた。このままこのぴりぴりが続いたら、彼の血管は裂けてしまうだろうと思われた。

「丸木さん、早く来て……」

と、千二は、歯をくいしばって叫んだ。

すると、とたんに、そのぴりぴりが止った。

湯気の向こうから、誰かのっそりと出て来た。見ると、それは外ならぬ丸木であった。

「なあんだ、人間というやつは、ずいぶん弱いものだなあ、はははは」

丸木は、笑い声をあげた。しかし千二は、丸木が笑い声をあげているのに、その顔は少しも笑っているような顔に見えないのを、不思議に思った。それからもう一つ、「なあんだ、人間というやつは、ずいぶん弱いものだなあ」