Japanische Klassiker mit Furigana
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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
Lesen Sie 火星兵団 (かせいへいだん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 307.889 Zeichen · 618 Bildschirme
「ほう、そうか。千二君。これは笑いごとではない、大変な事件かも知れないよ」
新田先生は、息をつめて、千二の顔を見つめた。
「先生は、わかって下すったんですね。僕、うれしいです」
と、千二は、永い間の自分ひとりの驚きが、初めてほかの人にもわかってもらえたことを嬉しく思った。
「ところで、その丸木とかいう怪人物だが――」
と、新田先生は、頭を左右に振って、
「丸木こそ、実に不思議な人間だ。さっき千二君は、火星のスパイかも知れないと言ったが、とにかく彼をつかまえさえすれば、何もかもわかるだろうと思う。よし、大江山課長さんにも、そう言って、よく頼んでおこう」
千二少年は、又、その時心配そうに、
「ねえ、先生。僕は、もう一つ心配していることがあるのです」
「心配していることって、なに?」
「外でもありません。お父さんのことなんです。お父さんは、僕がいなくなったので、心配していると思うのです」
「あっ、そうか。お父さんは、さぞ心配しておられるだろう。君のお父さんは、まだここへ来ないのかね」
「ええ、何の話もないんですから、まだ来ないのでしょう。きっと僕がいなくなって、お魚を取るのに、大変いそがしくなったためでしょう」