Japanische Klassiker mit Furigana
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てりはきょうげん
照葉狂言
泉 鏡花
Lesen Sie 照葉狂言 (てりはきょうげん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.730 Zeichen · 100 Bildschirme
二
その下あたり、札をかかげて、一人々々役者の名を筆太にこそ記したれ。小親というあり、重子というあり、小松というあり、秋子というあり、細字もてしのぶというあり。小光、小稲と書きつらねて、別に傍に小六と書いたり。
二
印半纏被たる壮佼の、軒に梯子さして昇りながら、一つずつ提灯に灯ともすが、右の方より始めたれば、小親という名、ぱっと墨色濃く、鮮かに最初の火に照されつ。蝋燭の煮え込まざれば、その他はみな朧気なりき。
ありたけの提灯あかくなりたる後に、一昨日も、その前の日も、昨日も来つ。この夕は時やや早かりければ、しばしわれ木戸の前に歩行くともなく彳みつつ、幾度か小親の名を仰ぎ見たり。名を見るさえ他のものとは違いて、そぞろに興ある感起りぬ。かねてその牛若に扮せし姿、太くわが心にかないたり。
見物は未だ来り集わず。木戸番の燈大通より吹きつくる風に揺れて、肌寒う覚ゆる折しも、三台ばかり俥をならべて、東より颯と乗着けしが、一斉に轅をおろしつ、と見る時、女一人おり立ちたり。続いて一人片足を下せるを、後なる俥より出でたる女、つと来て肩を貸すに手を掛けてひらりと下りたり。