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Japanische Klassiker mit Furigana

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てりはきょうげん

照葉狂言

泉 鏡花

Lesen Sie 照葉狂言 (てりはきょうげん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.730 Zeichen · 100 Bildschirme

Aozora Bunko

黒髪を束ねて肩に懸けたるのみ、それかと見れば、俤は舞台なりし牛若の凜々しげなるには肖で、いと優しきが、涼しき目もて、振向きたるわが顔をば見し。打微笑みしまま未だものいわざるにソト頬摺す。われは舞台に見向きぬ。

背後見らるる心地もしつ。

ややありて吸競べたる膏薬練の、西なる方吸寄せられて、ぶざまに転けかかりたる状いと可笑きに、われ思わず笑いぬ。

「おもしろうござんすか。」

と肩に手をかけて潜めき問いぬ。

「よく来て下さいますね。ちょいと、あの、これを。」

渠は先にわが投げ棄てし銀貨入を手にしつつ、

「私これ頂いときますよ。ね、頂戴。可うござんすか。」

「ああ。」

また頷けば軽く頂き、帯の間に挟みしが、

「木戸のがね、お気に入りませんだったら叱ッてもらってあげますから、腹を立てないで毎晩、毎晩、いらっしゃいましな、ね。ちゃんとここを取って、私のこのお蒲団敷いてあげますわ。そうしてお前さんの好きなことをして見せましょう。何が可いの、狂言がおもしろいの。」

「いいえ。」

「じゃあ、お能の方なの。」

「牛若が可いんだ、刀持って立派で可いんだ。」

「そう。」と言いかけて莞爾とせしが、見物は皆舞台を向いたり。