Japanische Klassiker mit Furigana
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てりはきょうげん
照葉狂言
泉 鏡花
Lesen Sie 照葉狂言 (てりはきょうげん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.730 Zeichen · 100 Bildschirme
二
湯を呑むにさえ、人の手かりたりしを、情なき一座の親方の、身の代取りて、その半不随の身を売りぬ。
買いたるは手品師にて、観世物の磔にするなりき。身体は利かでも可し、槍にて突く時、手と足きて、苦と苦痛の声絞らするまでなれば。これにぞ銀六の泣きしなる。
「ほんとにねえ、貢さん。」
二
小親行きて、泣く泣く小六の枕頭にその恐しきこと語りし時、渠の剛愎なる、ただ冷かに笑いしが、われわれはいかに悲しかりしぞ。
その時の小親、今の年紀ならましかば、断ちても何とか計らいたらむ。あどけなき人のただ優しくて、親方に縋りたれど、内に居ては水一つ汲まぬ者なり。手足の動かぬを何にかせむ、歌妓にも売れざるを、塵塚に棄つべきが、目ざましき大金になるぞとて、北叟笑したりしのみ。
そもそも何の見処ありて、小六にさる価擲ちけむ、世には賤しき業も多けれど、誰か十字架に懸らむとする。
向うづけに屋根裏高き磔柱に縛められて、乳の下発きて衆の前に、槍をもて貫かるるを。これに甘んずる者ありとせむか、その婦人いかなるべき。
小六の膚は白かりき。色の黒き婦人にては、木戸に入るが稀なりとて、さる価をぞ払いしなる。