Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 229.387 Zeichen · 453 Bildschirme
現象的きわまりない。
どんな玉にしろ、ころがってゆくときは、真中というか中心を中心としているのだから、若しころがってゆく方向とか、ころがりかたを問題にせず、私は中心を真中にしてころがっているんですと主観的に強調したら、それっきりのものでしょう。
健全を求め、そのために努力しているつもりの作家に於てさえそうです。芸術家というものの感受性のありようについて、文士は度しがたい誤りにはまりこんでいる。人間が普通感じることを、一番人間らしい鋭さ、生新さ、溌剌さでピッタリと感じ、その感じを最も綜合的な内容=社会性の豊かな直感として、最も人間らしい意力によって処理してゆこうとする努力として、感受性を見ていない。本来なら頬の色が変るほど高い意味に於ておどろくべきことを、妙な客観性(と思いちがいしている鈍感さ、或は頭の鈍い形式主義)で、平気で、或は平気そうにうけて、さてそれから細いすこし指のふるえるような手で、それを身からはなしたところで、ああこうとこねて見て、それを小説だとしている。今日小説を書いている人々の何人が、真に愚鈍とその依って来るところに向って憤りを抱いているでしょう。