Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 229.387 Zeichen · 453 Bildschirme
私がこの間手紙の中で、生活の中に新しい流れを現実的にもたらす力ということを、今更のように評価し、そういう力の価値を高く感じ直したのは、私の昨今の生活とその周囲とを考えるとき、たった一つのこと、私の早寝早起きの努力が、どれ程重大な全般的効果をひき出しているかということを痛感したからです。たった一つの習慣が全生活の動向を更新する。そう、ここに云われているその通りです。私は初めは単純に、健康のためだけに、早くね、早く起きと云われていると感じていたのですもの。それをずるけさせないために、朝の挨拶を思いつきになった、ちょいと肩をすくめてクスリとするような心持だった。日が経つにつれて、それだけのことが与える生活全体の規律や弾力や内面的な収穫に気付いて来て、フームと感服して、そういう流れを、いつとはなし導き込んで次第に支配的なものに成長させた力について、深い敬意を感じた次第です。
私たちの生活の中で経て来たいろいろのモメントを思いかえして見ると、何とも云えないよろこびが甦ります。私は何と不安なく、信頼にみちた心で、恐怖もなく、あなたから一つの流れを渡ろうとする毎に、さし出された手をつかまえて、今までいくつかの瀬を踰して来たことでしょう。