Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 229.387 Zeichen · 453 Bildschirme
四月十日
と自分で書き直した。あでやかさ、高雅さが装飾的で、初期の漱石の匂いと臭気が芬々である。さて、その元となっている物語と、同じ時代のウェイルズの伝説の文章とは実にちがって面白いのです。マロリーは騎士道という観念で書いているのだが、ウェイルズの伝説は、民衆の富とか、公平とか、物の考えかたをこまかに具体的に出していて、つまり常識が日常生活の中で作用しているとおり出ていて面白い。着物だの、食物だのいろいろを、素朴で現実的な山国人らしく観察していて面白い。昔のその地方の一般人の感情がはっきり分る点が面白い。いろいろと面白いことがあるのですが、それは又いずれ。
桜が咲いて、風だの雨だのがある。花に風というと皆は今日思わず笑うが、特に関東地方では全く、花は風にもまれるために咲くようですね。フィリップという作家の祖母は乞食だったそうです。フィリップはそういう祖母をもったもう一人の大作家と余り年代がちがわなかった、ちっとも知らなかったけれども。では又。お大切に。私は七日頃に行こうと思って居ります、お目にかかりによ、島田ではなく。
四月十日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕