Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 229.387 Zeichen · 453 Bildschirme
太郎の満身に汗が出た心持も分る。大いに同情いたします。しかし私は大変おばちゃん根性をもっていてむっちりしていて、而も勇気のある、リズムのある少年太郎を大いに待望しているのだが、どうも。子供は子供自身のものをもって生れて来るから仕方がない。ヴェトウヴェンはオットウという甥をもっていて熱愛した。甥はぐれて、生涯伯父に厄介をかけました。が、その手紙に曰く、伯父上あなたは実に立派で実に偉大な人間の愛情をも持って私に対して下すった。けれども、私の生れつきに対してあなたは余り正しすぎ立派すぎ美しすぎ、自分に迚もその真似は出来ないと思うことから私はよけいに下らないわるいものになった。もっと下らない平凡な伯父であったら、私は平凡ではあってももうすこし世間並に暮したでしょう云々。勿論これは成り立たない弱者の逆うらみです。しかし現実の生活の中にこれはどの位あるでしょう。本当に、どの位微妙な程度と変化においてあるでしょう。そして、この人生に真理と美とをもたらそうとする人々の、其々の心くばりというものが、どんなにこまやかにまめで、うむことをしらぬ多様さ、堅忍、己を持することの高さの故の親しみ易さがいるかということも痛感します。